ユニクロとのコラボTシャツや母校の早稲田大学での祝辞など、70歳を過ぎた現在も他方面で活躍を見せている村上春樹さん。
日本を代表する作家であり、ノーベル文学賞候補となっていることでも知られています。
今回は村上春樹さんの短編・ショートショートを一覧としてまとめてみました。
どの作品を選ぶべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
村上春樹 短編小説一覧
一人称単数
一人称単数出版社:文藝春秋 発行日:2020/7/18 |
おすすめポイント
一人称単数というタイトルが物語るように、過去に起きた出来事を数年後あるいは数十年後の視点から回想するという構成で書かれた作品群。
おすすめは一作目の「石のまくらに」と表題作の「一人称単数」。
入子式の作中作として短歌や詩、レコード批評など様々な表現技法が用いられているところも面白い。
女のいない男たち
女のいない男たち出版社:文藝春秋 発行日:2014/4/18 |
おすすめポイント
死別や不倫などで女性を失ってしまった男たちを描いた短編集。
女性の喪失が男たちの心に様々な形で暗い影を落としていく。
おすすめは「シェエラザード」と「木野」で、どちらも不思議な読後感を与えてくれる作品。
東京奇譚集
東京奇譚集出版社:新潮社 発行日:2005/9/15 |
おすすめポイント
マンションの階段で突然姿を消した人物を捜索する「どこであれそれが見つかりそうな場所で」。
猿に名札を盗まれたことから自分の名前を思い出せなくなってしまった女性の物語「品川猿」。
奇譚集という言葉が表す通り、奇妙な物語が収録された作品集。
神の子どもたちはみな踊る
神の子どもたちはみな踊る出版社:新潮社 発行日:2000/2/25
|
おすすめポイント
阪神淡路大震災の後に出版され、地震というキーワードが随所に散りばめられた短編たち。
おすすめは書き下ろしとして収録された「蜂蜜パイ」。
力強い決意に満ちたエンディングで締めくくられる、いい意味で村上春樹らしくない物語です。
レキシントンの幽霊
レキシントンの幽霊出版社:文藝春秋 発行日:1996/11/30
|
おすすめポイント
表題作の「レキシントンの幽霊」をはじめ、いろいろな形の恐怖が描かれた作品集。
ファンタジー要素の強い「緑色の獣」や「氷男」、不気味なほど現実味のある「沈黙」「七番目の男」など粒揃いの短編が多く収録されています。
夜のくもざる
おすすめポイント
3、4ページほどのショートショートが36本収録されている超短編集。
シュールで奇妙で面白い、いろいろなテイストの話を味わうことができます。
小説を読んでいて声を出して笑う機会はあまりありませんが、この作品だけは例外です。
特に村上作品ビギナーの方にオススメの作品。
TVピープル
TVピープル出版社:文藝春秋 発行日:1990/1/19 |
おすすめポイント
現実と非現実の間に立ちはだかる壁がすっぽりと取り払われたような世界観の短編集で、難解な作品が多い印象。
表題作「TVピープル」は村上春樹の短編小説の中でもひときわ異質な作品で、コアなハルキストにオススメしたい短編集。
パン屋再襲撃
パン屋再襲撃出版社:文藝春秋 発行日:1986/4/10 |
おすすめポイント
いかにも村上春樹らしい書き出しから始まるオフビートな物語「パン屋再襲撃」。
長編作品『ねじまき鳥クロニクル』の下地となった「ねじまき鳥と火曜日の女たち」。
短編集としてまとまったテーマを有しているわけではないが、完成度の高い作品が収録された幅広い読者層にオススメの短編集。
回転木馬のデッド・ヒート
回転木馬のデッド・ヒート出版社:講談社 発行日:1985/10/9 |
おすすめポイント
虚構を描いた”小説”ではなく、事実をベースに書かれた”スケッチ”と呼ぶべき8つの物語が収録された作品集。
本編はもちろん、前書きとして書かれた「回転木馬のデッド・ヒート」も文章として秀逸です。
蛍・納屋を焼く・その他の短編
蛍・納屋を焼く・その他の短編出版社:新潮社 発行日:1984/7/5 |
おすすめポイント
個人的に村上作品で一番好きな短編小説「納屋を焼く」が収録された短編集。
『ノルウェイの森』の原型になった「螢」や、寓話的で多くの示唆に満ちた物語「踊る小人」など初期の村上作品を堪能したい方にオススメの一冊。
中国行きのスロウ・ボート
中国行きのスロウ・ボート出版社:中央公論者 発行日:1983/5/18 |
おすすめポイント
村上春樹の第一作目となる短編集。
初期の長編小説と同様に物語的な面白さというよりもリズミカルな文章が心地よい作品群。
特に5作目の「午後の最後の芝生」はハルキストの中でも人気が高い作品です。
象工場のハッピーエンド
おすすめポイント
エッセイとショートショートと安西水丸のカラフルなイラストが楽しめる作品。
巻末には村上春樹と安西水丸の対談「画家と作家のハッピーエンド」が収録されている。
1960年代のノスタルジーを感じたい方にオススメ。
カンガルー日和
おすすめポイント
18編の短い物語が収録されたショートショート。
「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」や「鏡」など短くても村上ワールド全開の物語たち。
夢で会いましょう
おすすめポイント
コピーライターの糸井重里との共著。
シニカルでウィットに富んだ二人のショートショートを読み比べることができます。
コメント